1章

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やめたはずだった。 「じゃあなんで来たの。人の寝込みを襲うため?」 「っ…ちっちがいます!わたしはただ入部届けを…」 この人が変なことをさらっというから思わず口を滑らせる。 「ふーんへーえ入部してくれるんだあー嬉しいなあー」 先輩の嫌みたっぷりな笑顔を、私は睨み返す。 「君名前は?」 先輩はそんな私のにらみをさらりとかわした。 「先輩には教えません」 「人の寝込みを襲おうとしたくせにそれはひどいなー」 先輩は相変わらずニヤニヤしている。 「だからっ違っ」 違うと言っている途中に、私の手にある入部届けを奪われた。 「へーひよりちゃんか。かわいい名前だね」 「返して下さい。私入部しませんから!」 先輩の手から奪い取ろうとすると、 また爽やかな笑みを浮かべながら、さっと上に紙をあげる先輩。 .
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