1章

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「かえしてください!」 「取れたらかえしてあげるよ」 先輩は小学生みたいな事を言いながら、入部届けをヒラヒラさせている。 何回やっても私より頭2… へたしたら3こ分背の高い先輩から、奪えるはずがなかった。 「ーっ!」 あんまり焦らすから私が勢いをつけて取ろうとしたら、サッと先輩が後ろに下がる。 「わっ…」 バランスを崩して、先輩にもたれる形になった。 ドキ…ン 心臓が、ピンクの音を立てた。 ふわりと先輩の甘ったるいようなでも、ここちよい香りが鼻をくすぐる。 さっきよりも密着して、先輩の甘いかおりに酔いそうになる。 .
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