300人が本棚に入れています
本棚に追加
「ぁ…っ」
恥ずかしくて顔に更に熱が集まる。
それに由紀はクスッと小さく笑みを零し、そのまま俺を抱きしめた。
「憐…、今日はもう遅いから、明日続きしよ?」
小声で囁かれた言葉の意味を理解してしまい、ぎゅっと由紀の服の裾を掴む。
本気で嫌だと思えば逃げれることも出来た。
この場で由紀を殴って、罵声を浴びせることだって出来たのだ。
なのに。
「明日…シよ…」
受け入れてしまったのは、何故なのか。
悶々と必死に理由を考えていたのに、由紀が本当に嬉しそうに笑うから、そんなことどうでもよくなっていた。
「…また明日」
「おやすみ、憐」
…世間一般では『おやすみのキス』と呼ばれるものを最後に、由紀は俺の部屋を出て行った。
――早く明日に…。
ベッドの中で待ち焦がれている自分がいて、どんな乙女なんだよと一人苦笑した。
まさか、CD一つでこんなことになるなんて。
俺か由紀か、どっちかがあんな風に喘ぐのだろうか。
――想像して、また俺の顔が熱を帯びたのは言うまでもない。
\えんど/
最初のコメントを投稿しよう!