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「嫌だ…っ」
「何で?」
「だってそれ、普通のCDじゃないだろっ」
コレ?と言ってCDを手渡す由紀。
ジャケットを見てみると、思わず目も背けたくなる絵が。
「…っ」
「綺麗な絵だろ?そのイラストレーターな、俺大好きなんだよ!」
確かに絵は綺麗だとは思う。
だがしかし。
男同士がほぼ全裸に近い格好で抱き合っているのを見て、まじまじと見ていられるほど俺は無神経ではない。
CDを突き出すように由紀に返す。
「憐…。やっぱり、気持ち悪い?」
「そ、そういうわけじゃなくて…。その…、恥ずかしい…っていうか…」
この男子校にいるのに、今更気持ち悪いもクソもあるか。
免疫がない人の気持ちを少しは理解してくれ。
「そっか、そっかぁ。憐ちゃんはまだまだお子ちゃまだもんなぁ。
お子ちゃまにこれはまだ早かったよなー」
俺を挑発するようにニヤニヤと笑いながらCDを目の前にちらつかせる。
態度にムッときて、俺はつい。
「そんなCDぐらいいくらでも聴いてやるよ」
言葉が口から勝手に出てしまっていた。
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