300人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふーん、へぇー」
しまった。そう思ってももう遅い。
ニヤニヤとどこか厭らしい笑みを浮かべながら、俺の部屋にあったCDプレイヤーで由紀はそのCDを再生し始めてしまった…。
三十分ほど経った頃だろうか。
怪しげな雰囲気の物語が展開されている。
所謂濡れ場…というものだ。
『あっ、ゃっ…ひぁぅっ』
『どうした?ここがいいんだろ?』
ぐちゅぐちゅと卑猥な音が鮮明に聞こえ、その度に顔が熱くなって身体を縮こませる自分が憎い。
…耐性なんてないのだから、これが普通の反応だと思いたいが。
『ほら、イイって言えよ…っ』
『んっ…くぅ、んあぁ!!』
高く響く声。
これを声優自ら演じているということですら驚きなのに、それが男同士だと言うのだから尊敬の念すら覚える。
女みたいな嬌声を上げられても、性にあまり興味も執着もない俺は特に勃ったりはしないし別に問題はない。
…のだが、男同士ということが気にかかるのか、やはり心身ともに落ち着かなかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!