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『この力のせいで、私がどれだけ変な目で見られたか知ってる?私が何の為に生きた他人と距離を置いてるか知ってる?
全部、狂ったこの力のせいだ』
こんな力―…
『無ければ良かったよ』
…消えそうな声が出た
苦笑いしたつもりなんだけど…テシンさんは何だか苦しそうな顔だ
そう言えば、友達に『アンタの笑顔こわい』って言われた事があった
すぐに苦笑いをやめて、無表情に戻れば、訪れる沈黙に気まずくなり…私は『じゃ』と短く言えば歩きだす
ガシッ―…
『……(えぇ~)』
腕を掴まれて、離れられない
『おい、コラァ離せよ』と言うオーラと視線を向ける
…霊に係わるといつもこれだ…成仏するまで付きまとわれる…
あのまま溝に落としておけば良かった…と少し後悔
「…頼む、神様をやってください」
テシン…何で弱気?
つか、何故に敬語?
『…時間が狂ったりとか、どうでもいい、関係ない…』
「このままだと皆が死んでしまう…貴女も、死んでしまうんですよ?」
泣きそうな顔で言ってくるテシンの手を振りほどく
『私は借りがない他人を護ほど偽善者でもなければ、生きる事にそんなに執着してはいない』
そうだ…
私は、死にたいとは思っていない…
だが…
こんな世界じゃ、生きたいとも思えないさ
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