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光の刃物は私の前に浮かぶとだんだんと形の原型がはっきりとしてくる。
『…刀…？』
光の真ん中には鞘に収められた刀と鎖。
どう見ても、おかしな雰囲気を纏ったソレから私は一歩後退りする。
気を抜いた所でグサリなんてあってたまるか…と後ろにいたテシンに目をやれば、ボケーとした顔で刀を見ている。
幽霊の考える事はよくわからない。
何分この状態が続いただろうか…攻撃してくる様子はなく、ただ浮いているソレ。
『……おい、逃げた方が良いんじゃないのか？』
テシンにヒッソリと話し掛ければ、疑問符が帰ってきた。
「はい？これは継承ですよ。あの刀は貴女の事を待っているんですよ？」
継承ですよって…当たり前みたいに言われた…。
『意味が分からない。』
帰っていいなら、今すぐ帰りたい。
「あの刀は貴女の力の具現化したものです。あの鎖は………いや、まさかね」
テシンは何かぶつぶつ言いながら、鎖を見ていた。
不思議な事には慣れていたつもりだった。自分にはその不思議な力がある事も知っていた。
だけど、話が見えない…。
『刀なんていらない。第一に学生で刀を持っている人なんていない。浮くのは勘弁。』
「そんな理由!?」
ほざけ、立派な理由だろう｡
これ以上浮いたら、本当に危険な人になるだろう｡
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