28. 朝日とともに

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「・・・っくしゅん!!!」 っくしゅん・・・そう、東京の冬は寒いのだ。 ましてや、昨夜からエアコンを入れていないこの部屋の寒さでは、クシャミが出てしまうのも無理はない。 オレだって、クシャミの一つや二つ・・・って・・・は?クシャミ?   (・・・まさか?) 恐る恐る後ろを振り返ると、布団の中からニョキッと二本の腕が顔を出した。 「んー・・・よく寝た!」 「・・・か、和希ぃーーーッ!!」 生きてた・・・生きてた・・・和希が生きてた! オレは、嬉しさのあまりベッドにダイブすると、寝起きでグズる和希を勢いよく抱きしめた。 「ちょ、ちょっと、亮!痛いってば!」 「ハハハっ!和希が生きてた!生きてたぞーーっ!」 「ちょっと!勝手に殺さないでよ!」 「だってオマエ、スゲー冷たかったし・・・」 「・・・当たり前でしょ!エアコン切ってあるんだから。まったく・・・今の室温、何度だと思ってるのよ!」 「・・・2℃だな。」 「・・・・・」 「いや、2℃です。」 「で?その手にしている物騒なモノは、いったい何なの?!」 お、そうだった!右手に剃刀を持ったままだった!危ない、危ない・・・ 「まさかアンタ・・・くだらない事考えてたわけじゃないでしょうね?」 オレの頬っぺたをギュッと摘みながら睨む和希に、思わず息を呑んでしまった。 「・・・ごめん。」 その後の和希の説教がどれだけ怖いモノだったかは、あえて言わない。 あえて・・・いや、やっぱ言わないでおこう。
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