28. 朝日とともに

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「・・・・・」 「あの人・・・やっぱり、本物だったんだ。」 入り口で立ち竦む私の脳裏に、今までの出来事が走馬灯のように駆け巡った。 もし、あの占い師に出逢っていなければ、亮も菜緒さんも峻さんも私の周りにはいなかっただろう。 そして、あいかわらず沙耶と二人で退屈な毎日を過ごしていたに違いない。 きっと・・・本当の亮に気付く事もなく。 「何だか、癪に触るな。教えるつもりが、逆にオレ達が教わった。」 「・・・フフフ。」 「何だよ。全然、笑うとこじゃねえだろ!」 「フフフ・・・何だかカワイイなぁって思って。」 「・・・どこが、だよ。」 「ホントは、感謝してるくせに・・・」 「・・・うるせーよ。」 そんな亮を横目に私が笑うと、彼は折りたたんだメモにそっと口づけてから小さな声で言った。 「・・・サンキュ。」 
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