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ジュースで一息入れた後、みんな各々作業の続きに戻って行った。
男性陣の活躍により、家具や冷蔵庫、洗濯機などの大きなモノはほぼ運び終わり、後は配置を調整するだけとなった。
私たち女性陣は、それぞれ手分けをして段ボールに詰めてあった食器や衣類、小物などを取り出す作業に追われている。
「それにしてもさ、相馬にはホントびっくりさせられたよねー!まさか、アレが変装だったとは・・・ね。」
「ホントだよ。私なんて、最近だもん。相馬のあの姿見てもキンチョーしなくなったの。」
そうしみじみと話す綾と美紀の先には、「あちーーっ!」と叫びながらタオルで顔を拭う亮の姿があった。
年が明けてから、亮は一切の変装をやめた。
どうやらあの数ヶ月の出来事は、彼の心の中にも大きな変化をもたらせたようで・・・
年明け初出勤の朝、「オレ、このまま行くわ。」とポイっとゴミ箱にメガネを捨てた亮には、アゴが外れるかと思うくらい驚かされた。
当然、職場では大騒ぎで・・・
私がメガネを外した時などとは、比べ物にならないくらいの騒ぎっぷりで・・・
他のフロアーの女性スタッフから、連絡先のメモを渡されては不機嫌になっている亮に
(・・・ご愁傷様。)
と、心の中で呟くしかない、今日このごろであった。
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