最終章. これからも二人で

5/11
前へ
/449ページ
次へ
***** ジュースで一息入れた後、みんな各々作業の続きに戻って行った。 男性陣の活躍により、家具や冷蔵庫、洗濯機などの大きなモノはほぼ運び終わり、後は配置を調整するだけとなった。 私たち女性陣は、それぞれ手分けをして段ボールに詰めてあった食器や衣類、小物などを取り出す作業に追われている。 「それにしてもさ、相馬にはホントびっくりさせられたよねー!まさか、アレが変装だったとは・・・ね。」 「ホントだよ。私なんて、最近だもん。相馬のあの姿見てもキンチョーしなくなったの。」 そうしみじみと話す綾と美紀の先には、「あちーーっ!」と叫びながらタオルで顔を拭う亮の姿があった。 年が明けてから、亮は一切の変装をやめた。 どうやらあの数ヶ月の出来事は、彼の心の中にも大きな変化をもたらせたようで・・・ 年明け初出勤の朝、「オレ、このまま行くわ。」とポイっとゴミ箱にメガネを捨てた亮には、アゴが外れるかと思うくらい驚かされた。 当然、職場では大騒ぎで・・・ 私がメガネを外した時などとは、比べ物にならないくらいの騒ぎっぷりで・・・ 他のフロアーの女性スタッフから、連絡先のメモを渡されては不機嫌になっている亮に (・・・ご愁傷様。) と、心の中で呟くしかない、今日このごろであった。
/449ページ

最初のコメントを投稿しよう!

991人が本棚に入れています
本棚に追加