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「急にそんな事言われても・・・仕事もあるし・・・いや、いつかは欲しいけど、今は・・・えーっと・・・でも、欲しいかも?・・・」
何て返事をしたらいいのか分からずグズグズとしていると、スーッと亮の右手が差し出された。
「オマエが欲しいなら、オレは全然いいけど・・・」
そう言いながら、伸ばした私の左手をとる。
「でもさ・・・」
「キャッ・・・」
そのままグイッと引っ張られた私は、スッポリと亮の胸に納まってしまった。
「もう少しだけ、オマエを独り占めさせてくれないかな?」
*****
そして、また・・・
今夜も、二人の甘くて優しい時間が訪れる。
漂うだけ漂って意識を手放しそうになった私に、亮が掠れた声で囁いた。
『・・・ずっと、一緒だ』・・・と。
それは、あの大晦日の晩、遠のく意識の中で聴いた言葉と同じだった。
〜 fin. 〜
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