1. 占いの館

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(はぁ~・・・女の幸せかぁ~・・・) かくいう私だって、寂しい時が無いわけではない。 仕事が終わった後の更衣室で、デートの準備に忙しくメイクを直している同僚達を見ていると、正直羨ましくてたまらない。 「和希はいいわよね~、仕事が出来るし。男に頼らなくても生きていけそうだもんね~!」 そんなの褒め言葉でも何でもない。 ホントは、私だって・・・ そんな事を考えながら歩いていると、前方に怪しい光を放つ黒っぽい物体が目に入った。 (・・・何だろう?あの光は?) よく見てみると、どうやら看板に縁取られた電球が光っているようである。 おそらく店の案内看板なのだろうが、看板の色が黒い為文字がはっきりと見えず、ココからでは何の看板なのかさっぱり分からない。 終電が近いこんな時間では、看板というより、むしろ不気味な青白い火の玉がゆっくりと点滅しているだけ・・・そんな風に見えてしまう。 (・・・何だか気味が悪い看板ね。) 足早に通り過ぎようとしたその時・・・先程から気になっていた看板の文字がはっきりと見えた。
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