991人が本棚に入れています
本棚に追加
(はぁ~・・・女の幸せかぁ~・・・)
かくいう私だって、寂しい時が無いわけではない。
仕事が終わった後の更衣室で、デートの準備に忙しくメイクを直している同僚達を見ていると、正直羨ましくてたまらない。
「和希はいいわよね~、仕事が出来るし。男に頼らなくても生きていけそうだもんね~!」
そんなの褒め言葉でも何でもない。
ホントは、私だって・・・
そんな事を考えながら歩いていると、前方に怪しい光を放つ黒っぽい物体が目に入った。
(・・・何だろう?あの光は?)
よく見てみると、どうやら看板に縁取られた電球が光っているようである。
おそらく店の案内看板なのだろうが、看板の色が黒い為文字がはっきりと見えず、ココからでは何の看板なのかさっぱり分からない。
終電が近いこんな時間では、看板というより、むしろ不気味な青白い火の玉がゆっくりと点滅しているだけ・・・そんな風に見えてしまう。
(・・・何だか気味が悪い看板ね。)
足早に通り過ぎようとしたその時・・・先程から気になっていた看板の文字がはっきりと見えた。
最初のコメントを投稿しよう!