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店のドアを開けると、そこには広いスペースが広がっていた。
壁には全て暗幕が掛けられており、部屋の奥に向かって蝋燭が置かれた丸テーブルがいくつか左右に並んでいる。
その蝋燭の明かりの中を先に進むと、小さな丸椅子の向こうに黒い幕が掛かったテーブルがあり、占い師らしき黒ずくめの女性がポツンと座っていた。
年の頃は、50代後半といったところだろうか?
私が近づいて行くと、彼女は笑みの一つもこぼさず、おもむろに口を開いた。
「・・・どうぞ、お掛けなさい。」
私は言われるままに丸椅子に腰掛けてみたものの、何を言ったらいのか分からず、ただ周りをキョロキョロと見回していた。
そもそもココの料金体系はどうなっているんだろう?
何となく入ってしまったのはいいけど、法外な金額を提示されたりしたら・・・あの占い師の格好も怪しすぎるし・・・やっぱり来るんじゃなかったな。
そんな後悔の念に駆られながら、落ち着かない面持ちでいると・・・
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