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そんな私を見た江藤は心配するどころか、本性を剥き出したのだ。
彼はそこらへんの壁に貼ってある写真を一枚を強引に取って私に見せながら、こう言った。
「どうです!? これはショットガンで、頭をぶっ飛ばされ脳が飛び散った死体ですよ! 脳の肉片と血が混ざって良い色になってるじゃないですか! どうです? ねぇ、どうです!? 」
もはや、いつもの江藤はそこにはいなかった。
「……やめてくれ! 」
私は寄るなとばかりにへたりこんだまま後ろに下がる。
それは完全に拒絶の意思だった。
「遠慮なんてしなくていいんですよ、さあ、私と一緒にネクロフィリアを楽しみましょうよ!」
彼もまた完全に我を忘れているようだった。
ネクロ……フィリア
私はその言葉が印象に残った。
逃げ場がない私は、意識を飛ばすことでしか、逃げれなかった。
そのまま私は意識が遠退き、視界が狭まっていった。
そして、完全に遮断された。
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