―第一章死体美学―

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私は彼の顔を見るやいなや、ヒッと声を出してしまった。 もちろん、さっきの事が理由である。 その声を聞いた彼は、少し寂しそうな顔をした。 「……目を覚ましたみたいですね、大丈夫ですか?」 私は黙ったまま、ゆっくりと頷いた。 「すいません、私が驚かせてしまったみたいですね」 単に驚くレベルではない。 江藤は、持ってきた水を私に渡し、トレーはガラスのテーブルに置いた。 そして彼はフローリングの床に座り込んだ。 私も水も飲むために、背を起こし、壁にもたれ掛かって彼の話を聞く体勢をとった。 もちろん、私からも聞きたいことが、いや、聞かなければならない事があるからだ。 「……なあ、江藤……」 「……? 何ですか?」 「あの部屋の事なんだけど……」 「何故、死体の写真ばかりあったのか。ですね?」 どうやら、江藤は私が聞きたいことを察していたらしい。 「あ、ああ、それだ。それが聞きたい」 「わかりました。ではお答えします。私は────ネクロフィリアなんですよ」
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