残念なお隣さん

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今日、北海道にいる両親からたくさんのカニが送られてきた。 流石に一人で、こんなに食べれるわけもなく、これはいい機会だと思い勇気を振り絞ってお隣におすそわけすることにした。 ピンポーン 行動は直ぐにうつした。 緊張しながらも言葉を考えながら インターホンを押す。 が、忙しいのだろうかバタバタ騒がしい音は聞こえるのだが、なかなか、ドアか開かない。 ガチャ 忙しいのなら悪いと思い、戻ろうかと踵を返すが、ガチャとゆっくりドアが開かれ、チェーンはかかったままの状態で女性が顔をのぞかせた。 彼女が出てきてくれたことに内心嬉しく、顔がにやけていたかもしれない。 いつまでも立ち尽くし自分の顔を見つめてくる山中に彼女は、少し迷惑そうに 首を傾げた。 「ぁ、あ、、すみません。あの、これカニです地元から沢山送られてきて、、あの、嫌いじゃなければ」 山中はかみながらも言葉にし、袋に入ったカニを目の前に出すと、先程まで迷惑そうにしていた彼女の目はカッと開きドアをおもいっきり閉めた。 カニが嫌いだったのかと不安になっていると直ぐにまたドアが開いた。 どうやらチェーンを外していたようだ。 彼女は興奮気味で俺の手元からカニを取り上げ今にもヨダレを垂らしそうな程にカニに釘付けだ。 予想外な反応に驚き言葉が出ない山中を前に、彼女は目を輝かせたまま口を開いた。 「オレ、カニまじ大好きなんです。ありがとうございます!」 はじめて聞いた彼女の声は。 割と低く男前な声をしていた。
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