ニケ君のくれる夢

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…と、ニケ君が 「あのさ…俺達朝からずっと歩いて来たんだけど… 疲れちゃってさ、もう夕方だろ?」 夕方? …確かに窓を見ると、ほんのりオレンジ色の光が差していた。 「だからさ…」 「此処に泊めてほしいの」 ……っ! びっくりした… そうだ、クーちゃんも居たんだっけ… 「それなら全然いいわよ。 空いてる部屋たくさんあるし」 「やったぁ!」 「ありがとう、ジュジュちゃん!」 「よかったな、ククリ!」 ニケ君がクーちゃんに振り返って言った。 「うん!」 クーちゃんもニケ君の方を向いて微笑んだ。 2人が笑った。 …綺麗だ。 「ジュジュ様、どうしました? そんな怒った顔をして」 神官が言った。 「何言ってんのよ、怒った顔なんてしてな…」 え? 怒った顔? 「そうでしたか、これは失礼致しました…」 怒った顔? 私が? …2人を見て? そんな。 ―――素直に喜べなかった…? 「…ちょっと。」 「はい、何でしょうかジュジュ様?」 「2人の部屋は…私の隣にしておいて」 「…分かりました」
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