ニケ君のくれる夢

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日が暮れ、外は暗く、黒くなり始めていた。 部屋を隣にしたのはよかったけど、結局はニケ君達の部屋で話をしていた。 ニケ君とクーちゃんは、今までの旅の話をたくさんしてくれた。 ダンジョンを冒険した事、モンスターとの戦闘、新しい仲間の事… どれも、思わず聞き入ってしまうような話だった。 でも私は… 2人が話している中、自分の中のある異状に気がついていた。 何だか、ムズムズする… 何か言いたい事がある気がする… でも、それが何なのか分からない── 思い出してみれば、このムズムズは2人が教会に来た時からあった。 その時はそうでもなかったけど、だんだんそれは大きくなって… 「…ジュジュー?」 「え!? …何?」 「トイレに行きたいんだけど、何処にあるんだ?」 「それなら廊下を左に曲がった先よ」 「分かった。ありがとな!」 ニケ君は走って行ってしまった。 …行ってしまった。 「ねぇねぇジュジュちゃん」 「なぁに、クーちゃん?」 「この前モンスターと戦った時ね、そのモンスターが強くてククリのグルグルが効かなかったの」 「でもね、その時勇者様が言ってくれたの」 「"とにかく俺が守るから"って!」
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