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「順を追って説明させていただきますと、本来貴女は貴女の知る世界とは別の世界……先程おっしゃっていた、剣と魔法の異世界に産まれる筈だったのです。」
「言ってませんけどね?貴方が勝手に心を読んだんですけどね?」
と言うかその辺りから既に居たんですね?
「全く、乙女の心を勝手に覗くなど破廉恥な奴じゃわい。」
「貴方は黙って彼女に土下座でもしていてくれませんか?……失礼しました。話を続けても?」
「え……あ、はい。お願いします。」
天使に凄まれ即座に美しい土下座をきめた神様に戸惑っていると、何事もなかったかのようにまさに天使の微笑みを向けられた。
「ところがうちの馬鹿が(チッ)貴女を ち ょ っ と 間 違 え て 貴女のよく知る科学が発達した世界に誕生させた為、魔力を抑え込む方法も発散させる方法も知らない貴女は魔力が淀み、暴走した魔力に徐々に身体を蝕まれていきました。そして本来ならばそちらの世界にいる筈もない貴女が火災に巻き込まれるなどと言う事はなく、死ぬ事も有り得なかった。つまり貴女はそこの馬鹿に15年もの間理由もなく虐げられ、殺されてしまったようなもの、というわけなんです。」
「…………(チラッ)」
いや、酷い話だなーとは思うよ?
でもその……
「おろろーん!どうせ!どうせ全部わしが悪かったんじゃー!!」
「当然です、馬鹿。いったい何様のつもりですか、馬鹿。泣き声が気持ち悪いんですよ、馬鹿。」
「うっうっ……すまんかった……すまんかったなぁ、お嬢ちゃん……わしが……わしがぁ……」
「今更謝られてもツラい思いをした彼女も、無駄に仕事増やされた私も許せるわけがないでしょう、馬鹿。泣き顔も気持ち悪いんですよ、馬鹿。本当、何様のつもりなんですか、馬鹿。貴方が死ねば良かったんですよ、馬鹿。」
「ゔっ……うあ゙ぁああぁああ゙あっ!!」
……何か見てて神様が不憫になって来たと言うか。
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