4・お母さんに会いたい

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……えっと。気付いたら、真っ赤な髪を後ろで束ねた赤目の勝ち気そうな顔立ちの可愛らしい女の子が嬉しそうに私にプレゼントらしきファンシーな袋を差し出していて、えぇと、何だこの状況?カミィ? …………あ。 少し遅れて、この世界に転生してからの6年間が断片的に頭の中を駆け巡った。 私の名前はカミィ・ホワイストン。 随分適当に名付けられたもんだと思う。 白石だからホワイ(ト)スト(ー)ンで、美佳をひっくり返してカミィなわけね……。 この子はレティー。私の幼なじみで同い年。隣の家に住んでいる。正義感が強くて、しっかり者の女の子。 料理を運んで来た青いショートカットに水色の目を持つ女性はこの世界で私を産んだ母親。 冷凍庫なんてないこの異世界で得意な氷魔法を使い、美味しいアイスをよく作ってくれる。 感慨深そうに私を見つめて涙ぐんでる、やたら刺々しい白髪に金色の目の男性が私の父親。 光魔法を使った医者のような仕事をしていて、街の人達に尊敬されている。 大好きな幼なじみに、自慢の両親。 ……そして今日は私の6歳の誕生日、と言う事だったか。 んん……何だか皆の髪や瞳がアニメみたいに変わった色をしていて落ち着かない。
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