4・お母さんに会いたい

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「あらあら、大きな声出してぇ。喧嘩でもしたのかしらー?」 「む、それは違うぞ!ママ殿!喧嘩などではない。カミィがさっきから私に意地悪をするのが悪いのだ。言わば私は一方的な被害者だっ!」 「何がっ!?」 意地悪?私がいつそんな事をしたって…… 耳まで真っ赤にして憤るレティーちゃんと、ポカンとした私を見比べると母が困ったような顔をする。 「ふむふむ、カミィがどんな意地悪をしたのか教えてくれるかなぁ?」 「カミィが突然敬語なんか使い始めたんだっ!!」 それだけ!?そんな事で!? ていうかそれ別に意地悪とは言わないよねっ? ますます訳が解らなくなって困ってしまう。 「そうなの?それでレティーちゃんはどうしてそれを意地悪だと思ったのかなぁ?」 「だって、私達は一生の友達なのに!親友なのに!使用人みたいな言葉で話したがるなんて、壁を作ろうとしているようにしか思えないだろう?私に何か気に入らない事があるんなら指摘してくれたらいいじゃないか。それが友達だろう?何でいきなり離れて行こうとしてるんだ!カミィは勝手過ぎる!!」 ……えぇー?何その暴走。いつの間にかさらっと私が距離をおこうとしてたって断定してなさる。 いやいやいやいや……あれ? そういえば記憶を取り戻すまでの私は、この子に敬語じゃなかったって事なんだろうか?五大貴族のお嬢様に? まさか!いくら何でも…………あ。 えっと……まさかでした。 今まではタメ語で尚且つ呼び捨てだったみたいです。 そりゃそうだ……そりゃそうだよ、私! 5歳だったんだもん。仕方ないよ。
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