5・ちっさい親友が出来ました

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と、そこへ私達のドタバタが聞こえたのか3種類の美味しそうなベーグルが乗ったお皿を持って、クスクス笑いの母が割り込んで来ました。 「ほらほら、それくらいで許してあげたらどう?ベーグルサンドならまだ残っているから。ね?カミィはどれがいいかしら?」 「……私はマフィンが食べたかったんですよ。」 あのこんがり狐色のしっとりしたメープルマフィンが!! 「そうねぇ……今レティーちゃんと仲直り出来たら、貴女達がプールで遊んでいる間にまた焼いといてあげるわよ?」 しょうがない。レフェリーストップだ。 黙って手を離すと、レティーちゃんはホッとしたように赤くなった頬を擦りながら謝って来ました。 「私も頬っぺた引っ張ったりなんかしてすみませんでした。」 「んむ、元はと言えば私が我慢出来なかったのが悪いんだ。カミィは悪くない。」 「そうですか……それもそうですね。」 「……んなっ!??……むぅー。」 そんな事ないだとか、私も悪かっただとかの言葉を期待していたであろう涙目のレティーちゃんに全ての責任をかぶせると、ベーグルに手を伸ばしもっさもっさと咀嚼する。 6年間の記憶から、彼女との謝り合いの不毛さは知っていますので。ん、美味しい。 「私が悪かったと言っているだろう!」と癇癪をおこされては堪らないと思ったのですが…… しかし早々に謝罪を引っ込めたら引っ込めたで不満そうな顔をされちゃうんですね。難しい子です。
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