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その日、仲良くなった小さな子達のかくれんぼに付き合っていて、なかなか発見してもらえないままついウトウトしていた私は、けたたましい非常ベルの音にびっくりして飛び起きました。
遠くで看護師さんの避難を呼び掛ける声。
「ぇ……なに、何事!??」
私が寝起きでぼんやりしている間に、誰かの悲鳴や泣き声、大勢の人が走る音なんかも聞こえはじめ、辺りは騒然となりました。
よく解らないまま人の波に押しやられつつ非常階段へ向かっていると
「折り紙のお姉ちゃん!!」
さっきまで一緒にかくれんぼしていた男の子が1人、怒ってるような、それでいて泣きそうな真っ赤な顔でこちらに駆け寄って来ました。
どうでもいいけど、いい加減名前を覚えて欲しいですね。折り紙を折ってあげたのなんて初日だけだったでしょうに。
「もうっ!どこに隠れてたんだよっ!!」
「えっと……あはは。ごめんね?」
いつもなら小さい子に謝罪する時は屈んで目線を合わせるんだけど、今は緊急事態のようだし立ち止まると邪魔になって危険だから、軽く謝りながら鬼役だった男の子、裕太君の手をとって前に進もうとしたんだけど……裕太君は繋いだ手をぐいっと引っ張ってとどまろうとします。
あ痛っ!ほらぶつかったじゃないですか。
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