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高層ビルの間から、煌々と輝く月が、神秘的な光を放っている。
細く長い指先で髪を梳きあげ、朔夜(さくや)は、美しい月をふりあおいで大きく息をついた。
輝く月の光が、そのほっそりとした長身の肢体を、くっきりと照らし出している。
引き締まった白い美貌は、まだ少年の面差しを残してはいたが、華奢な体躯に似合わぬ危険な雰囲気を漂わせていた。
額を隠して目もとにかかる、漆黒の髪。
抜き身のナイフを想起させる、鋭い切れ長の双眸。
スッと細い鼻梁。
形のいい、やや薄めの唇。
初冬の夜だというのに、黒いTシャツとジーンズという軽装だった。
夜の新宿中央公園。
仕事の帰り、朔夜はぶらりとこの広大な公園に立ち寄っていた。
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