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陸斗以外、誰も居ない風紀室。
「遅い」
ポツリと呟いた陸斗の声は、風紀室全体に響き渡る。
どうやら誰かを待っている様だ。
再び溜め息を付く陸斗は、ソファーから離れ、【風紀委員長】と書かれた机の前に座る。
陸斗が背もたれに身を委ねれば、ギシッと軋む音が鳴る。
足を組み、身体を前のめりにさせて、机に肘を置き、頬杖を付く陸斗は絵になる。
鼻から息を吐き出した瞬間、ガチャリと風紀委員室の扉が開いた。
「ごめぇん、遅れたぁ~
…って、りっクンしか居ないのぉ?」
悪気が無さそうな笑顔を、浮かべながら入って来た青年に陸斗は溜め息を付く。
「おせぇよ。それに、りっクンって呼ぶなって言ってるだろ?」
ハァ、とワザとらしく深く溜め息を吐きながらそう言えば、青年は首を傾げる。
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