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「これにて選考会を終わります。ストレッチや汗のケアをして、30分後にまたここに集合してください。閉会式を行います。」
ゲームも終わり、委員の人がみんなに呼びかける。
できるだけのことはした朱鷺は、清々しい気持ちでいっぱいだった。
30分後。
コートに、開会式同様みんなが集まってきた。
「それでは選考会の発表を行います。発表は、入江監督に行ってもらいます。」
委員の人が淡々と話した。
しかし、周りの空気はピンと張り詰めた。
そして、みんなの前に入江が登場した。
「今回の選考会、合格者は1名のみ。」
朱鷺は次の監督の言葉を待つ。
24番が呼ばれることを祈りながら。
「合格者は‥‥38番の桐谷 幸太(キリタニコウタ)!!」
(ダメだったか‥‥。)
やはり、3ヵ月という付け焼き刃では歯が立たなかった。
凡人の中の凡人になるといっても、所詮凡人なんだ。
朱鷺は落胆してしまった。
閉会式も終わり、通路をトボトボ歩いていると、後ろから委員の人の声が聞こえてきた。
「黒澤くーん!!24番の黒澤 朱鷺くーん!!」
「ん?」
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