第3章 極み

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朱鷺は博多第三との試合を思い出していた。 俺はあの日絶望を味わった。 しかし、このように認めてくれていた人がいて、救われた気がした。 ───────── 朱鷺は一年前、委員会の人に呼ばれた。 なんでも、監督が話したいことがあるということだった。 監督のところに行き、言葉を待った。 監督は目をつぶり黙っていたが、ゆっくりと目を開けて口を開いた。 「朱鷺君。君を一から鍛えたい。だからもしよかったら、明日から毎日この体育館に来てくれないか?」 「え?でも、不合格じゃないんですか?」 「不合格は不合格だ。まだ力が達していないからな。でも1年後はわからん。明日から1年間、俺の練習をして、来年の選考会にもう一度出てみらんか?」 朱鷺は、今の状況がうまく理解できなかった。 しかし、朱鷺は返事すべき言葉は理解していた。 「ありがとうございます!よろしくお願いします!!」
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