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───ピピピピ……
「ちっ、うるせーな」
けたたましい程のアラーム音で目が覚める。
「…くそ、今更バスケの夢なんて」
汗でぐっしょりのTシャツを脱ぎ捨て、毎朝の日課であるシャワーに向かう。
蛇口をひねり、ぬるめのお湯を浴びる。
普段ならこれで目を覚まし、気持ち良くバイトに行ける。
しかし、今日は違った。
なんであんな夢見たんだ?
まだ未練があるのか?
いや、バスケに未練なんてない。
むしろバスケなんか見たくもない。
あんな夢のないスポーツ、よく今まで頑張ってきたもんだ。
ばかばかしい。
ふと気づくと、長い間シャワーを浴びていたようだ。
「やべっ。遅刻する。」
バスケのことを頭から掻き消すように、頭を振って水滴をふるい落とした。
そして、乾ききってない髪のまま、いつものつなぎを着て、家を出た。
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