第1章 凡人の中の凡人

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───コート内。 「うおぉぉぉっ!」 叫びながら朱鷺はランニングシュートを狙う。 しかし、カバーに来たアメリカ人留学生ラナンがブロックに来る。 ここですかさず、3Pラインの外の一樹にパス。 しかし一樹はファンブル。 「おいおい、黒澤以外がヘタレじゃねぇか!」 「もっと頑張れよ!楽しくねぇぞー!」 スタンドから怒号に近い声が耳に入ってくる。 「一樹さん、ドンマイです。ミスは忘れて次行きましょう!」 「‥‥‥もーいいや」 「え?」 俺はわけがわからず、聞き返した。 すると、キャプテンの一樹から思わぬ言葉をもらう。 「俺ら所詮1回戦レベルのチームなんだよ!!俺らは平凡なプレイヤーだよ!!お前だってそうだよ!!弱小チームに来て、猿山の大将にでもなったつもりか? 馬鹿馬鹿しい!! お前がいたって、博多第三にこの有様だ!!いてもいなくても一緒だよ!!」 意味がわからなかった。 ショックというよりも、何も考えることができなかった。 「‥‥‥そうだった。俺はただの凡人だったんだ。」 宮本高校は161ー63で大敗した。
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