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「───き‥‥朱鷺!!!!!」
「うわっ! あっ、すみません。ぼーっとしてました」
「しっかりしろよ」
昔のことを思い出し、ぼーっとしてしまっていたようだ。
その証拠に、いつのまにかバイトを始めていた。
このご時世、なかなか就職先が見つからず、バイトを3つ掛け持ちしながら生活していた。
3つ掛け持ちといっても、バイト代は家賃や車の維持費などに消えていく。
「それにしても、今日はどうしたと?」
バイト終わりに店長に呼ばれ、控え室で事情を聞かれた。
「‥‥‥‥‥」
「とりあえず外で話すか。」
俺と店長は外に出て店の鍵を閉め、近くの自販機に向かった。
缶コーヒーを奢ってもらい、お礼を言った後店長が話し始めた。
「朱鷺、お前はなんのためにバイトしてんだ?」
「え、いや‥‥えーと、生活するためですかね。」
「じゃあ、質問を変える。お前は本当は何がしたいんだ。」
頭の中にバスケのことが思い浮かんだが、恥ずかしくてなかなか言えなかった。
すると、店長はさらに聞いてきた。
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