第1章 凡人の中の凡人

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「───き‥‥朱鷺!!!!!」 「うわっ! あっ、すみません。ぼーっとしてました」 「しっかりしろよ」 昔のことを思い出し、ぼーっとしてしまっていたようだ。 その証拠に、いつのまにかバイトを始めていた。 このご時世、なかなか就職先が見つからず、バイトを3つ掛け持ちしながら生活していた。 3つ掛け持ちといっても、バイト代は家賃や車の維持費などに消えていく。 「それにしても、今日はどうしたと?」 バイト終わりに店長に呼ばれ、控え室で事情を聞かれた。 「‥‥‥‥‥」 「とりあえず外で話すか。」 俺と店長は外に出て店の鍵を閉め、近くの自販機に向かった。 缶コーヒーを奢ってもらい、お礼を言った後店長が話し始めた。 「朱鷺、お前はなんのためにバイトしてんだ?」 「え、いや‥‥えーと、生活するためですかね。」 「じゃあ、質問を変える。お前は本当は何がしたいんだ。」 頭の中にバスケのことが思い浮かんだが、恥ずかしくてなかなか言えなかった。 すると、店長はさらに聞いてきた。
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