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ドアの外、そこは全てが真っ白な世界。
そこにポツリと建てられた小さな神殿のような建築物。
どう見ても精神と時の部屋です。ありがとうございます。
これは……あれだ、ちゃんと寝ろってこったな。
俺は部屋に戻り布団に入ろうとして愕然とする。
さっきまで後ろにあった自室のドアがなくなっていたのだ。
「……うん、疲れてんだな。寝よう」
誰に言うでもなく呟いた俺はその場に横になる。
目が覚めればきっと布団の中さ……
「ちょと!」
「……」
「ちょと起きて下さいよ!」
むぅ……俺の現実逃避…もとい安眠を邪魔するのは誰ぞ?
薄目を開けて見てみれば、そこに居たのは。白い一枚布のような服をきた金髪の白人女性。
美人だぬ。
でも俺は現実に戻りたいんだ。邪魔すんなし。
「何で無視するんですかー!?」
随分と流暢な日本語を話す外人さんだな。わかったから寝かせてくれよ。
徹夜明けで横になったら本気で眠くなってきたんだよ。
「分かりました……無視するなら私にも考えがあります」
白昼夢のくせに一方的に話し掛けてくるとは……
「えいっ!」
ゴスッという音と共に頭に走る鈍痛。
「痛てぇぇぇぇぇ!!」
痛みに飛び起きれば、そこに居たのは右手に棍棒を持ち満面の笑顔を此方に向けていた美人さん。
「やっと起きてくれました」
『にぱっ』という擬音がよく似合う笑顔を向けられるが、撲殺されかかった身からすれば殺意しか沸いてこない。
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