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勝手に当選とか言って、現地に行ってみたら高額な物品を買わされるというーー
「そんなヤクザな商売じゃないですよ」
だから、心を読むなし。
「私達が行っているぬのは各世界の平定行使業務です。葵さんの世界からすればパラレルワールド。いわゆる異世界と言うやつですね」
ほむ、俺の住む世界以外にも世界があんのか。宇宙人は居ると思ってたが、まさか異世界まであるとは驚きだ。
「あんまり驚いてないですね」
「まあ、現在進行形で実体験してる最中だしな。現実に起こっている事すら受け入れられないような固い頭じゃない」
正直ちょっと夢だったらいいなとは思ってはいるが現実は直視しよう。
ここの対応次第で今後の展開が変わりそうな予感がするし。
「理解のある方で助かります。……それで葵さんには異世界ノーティアの平定業務をお願いしたいのでーー」
「だが断る!」
意味が分からん。なんで俺が異世界なんぞを平定せにゃならんのだ。
「まあ断られるのは想定してましたが、そんなにバッサリいかれるとは思いませんでした」
バッサリも何も、普通の考え方をする人間なら答えは同じだと思うぞ。
「何かご不満な点でも御座いましたか?」
「むしろ、その説明でなぜ不満が出ないと思ってるか聞きたいもんだ」
お花畑なのか? 頭の中がお花畑なのか?
「お花畑じゃないですよ、失礼な」
だから心を読むなと。
「楽な方ならこの時点で飛び付いてくるんですけど、貴方は乗ってきませんねー」
人差し指を頬に当て首を傾げるラファエル。
「楽な方ってコトは他にもこんな悪徳勧誘してんのか」
「だから悪徳商法じゃないと言ってますのに……まあ、実際他にも勧誘してますよ。世界は多種多様に有りますので」
成る程、俺はその中の一人って訳か。
「理解が早くて助かります」
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