日常から非日常へ

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「で、何で俺がその平定業務要員に選ばれたんだ? 当選ってコトはなんか基準でもあんのか?」 基準が無いと老若男女問わずになっちまうからな。そんな異世界に飛ばすのに幼女が選ばれるとは思えん。 「はい勿論です。対象は健康な若い方で、さらにその中から想像力に優れた方を抽出、厳正な抽選の上で当選はメールもしくは死亡後に此方にてご報告となっております」 ああ……もしかして迷惑メールだと思って消そうとしたが消えなかったアレか。 ……って、死亡後!? 「死亡後ってのどーゆーこった!? 死亡後って!?」 俺は生きてんぞ! 「はい、追加説明させて頂きますと、抽選基準は死亡または数日以内に死亡される方となっております。つまり貴方は放っておけば数日以内に亡くなるというコトですね」 なにその設定。健康だけには自信がある俺が数日以内に死ぬ……だと? 「ちなみに貴方の死因は不摂生による動脈硬化です。もし断られて戻られても数日で亡くなります。これは運命で決定してる事ですので変更はありません」 「病院に行っても?」 「はい。数日寿命が延びる程度ですね」 その話が本当だとすれば拒否権なくね俺。 「そうですね。断れば死亡確定ですから」 ダメじゃん。 「なら最初から選択肢を与えんなや」 「いちおう説明は規則で決まってますので。稀に断られる方もいますしね」 ぬぅ……死ぬの確定で断る猛者もいんのか。 「それでどうされますか? 私としては受けて頂けると助かるのですが」 どうされますかってもな……事実上選択肢ねーじゃん。 「分かったよ。受けるよ受けますよ受けるしかないじゃん」 もう投げやりだ。なんだってやってやるさ。
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