過去

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それからの国の対応はひどいものだった。 父は帰って来ず、 病院や警察からも連絡がない。 そんなこんなで、1週間がたってしまった。 「-ねえ、ママ!!」 あの事件から母は、全く外に出ず、電話を片手にふさぎ込んでしまった。 「ママ!!お腹すいたよ!」 「台所のモノ適当に食べなさい。」 しかし、1週間の間に、台所の食料は尽きてしまっていた。 「もう食べ物なくなっちゃってるの!!むう、お腹ペコペコで死んじゃうよ…」 「死ぬとか、簡単に言うんじゃないわよ!!」 バーン! と、椅子を蹴った。 「パパは死んでない、パパは死んでないっ…」 「…ママ、怖いよっ!いつものママはどこにいるの!?」 私もぎゃあぎゃあと泣く。 あっという間だった。 もう、いつもの笑い声は聞こえない。
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