■親友

8/8
前へ
/8ページ
次へ
視線が合ったのは、ほんの一瞬だった。 晶は何食わぬ顔で、恵理子の頼んだジェラートを一口もらっていた。 あたしはスカートをはいていた。 一通りの女の子としてのマナーは親から教わった。 食べてる時に喋らない。 ソーイングセットぐらい持ち歩く。 料理をするときは爪を切る。 スカートで座る時は足を閉じる。 そんな母親の言い付けを守り、ヒールのないパンプスをはいて、二本揃えた足を 向かいに座る晶の大きな足が両側から強く触れた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加