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ここは秀吉様が愛された城…大坂城。
西軍の拠点である。
「あ、あのっ!今日は皆で鍋にしませんか?ぼっ僕が鍋奉行なら担当します…!」
「貴様……ふざけているのか?」
私はいきなり鍋奉行を申し出てきた金吾を睨み付けた。
金吾はいつもそうだ、私が睨んだだけで誰かの後ろや物に隠れる。
「ひっ…!やっやっぱり無理だよね……」
「無理ではありませんよ、金吾さん」
金吾が隠れた先の人物が、私に柔らかな笑みを浮かべてそう述べた。
赤い瞳に深い赤茶色の髪を腰より下へ伸ばし、着物は主に紫系統の色を好むようだ。
彼女は綾女、秀吉様が残された力の一つ。
彼女には不思議な力があるらしい、私はそれが何かは知らないが…。
赤い瞳で真っ直ぐに私を見据えながら、綾女は言葉を続けた。
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