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「主は…あ奴に、深い興味があると見える」
いつのまにか、私の隣にいた刑部。
いつもいつも驚かすな!と、心で叫びながら小さく頷いた。
「あの女には…秀吉様の言葉が聞こえているみたいだ」
「はて、本当にそうであろうか?ただ太閤の名を出し、甘い言葉を囁いて主を操っておるのかもしれぬぞ?」
「違う!私は騙されてなど…………いない」
自信を持って騙されてなどいないぞ!と言えるはずもなく、私は複雑な気持ちで空を見上げた。
嗚呼…秀吉様、私のたった一人の主…どうかお前は騙されてなどいないと仰ってはくれませんか?
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