未来編

4/14
前へ
/14ページ
次へ
「……私も一緒に行けたらいいのに……」 禊は俺の手をギュッと握った。何故か今日の禊はとても不安げで…。 「お前は家族を守っててくれ」 不安に曇る禊の顔に、優しくキスをおとす。 俺は禊の腕の中で大人しくしている息子のハリーを抱き上げた。 「ハリー。おはよう」 愛くるしい笑顔を輝かせながら、俺の顔をペタペタと触る。 最近やっと首が座りはじめてたばかりで、すくすく成長中の男の子である。 俺はその柔らかい頬にキスをした。そして抱き上げたまま一階へ下りる。 リビングにはすでに作ってあった朝食が真白い湯気をあげている。 「ハリーを抱いていて。俺は顔を洗って来るから」 禊にハリーを預け、顔を洗いにバスルームに向かった。寝癖のついた髪をワシャワシャと掻きながら、鏡を見る。だいぶ髭が伸びてきたようだ。 大雑把に顔を洗い、朝食を取りに戻る。 禊がコーヒーを入れてくれていた。 「悪いけど急ぐよ。任務先が少し距離があるんだ」 できたてのパンをかじりながらなるべく急ぐ。 「ええ。わかりました」 禊が少し寂しげにそう呟いた。 、image=435319156.jpg
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加