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「…むぅ…んっ…」
「ふん。さすがにこれで起きる…きゃっ……」
飛羅の全く予想外な行動。
突然聖羅の手を掴み、自分が寝ているベッドに強引に引きずり込んだのだ。
「あ、飛羅…?」
「…くー…くー…」
彼はまだ眠っている。寝ぼけていただけなのだろう。
「び、びっくりさせるなよなっ…」
飛羅が故意にやった事ではないと安心した聖羅は、飛羅の腕を振り払ってベッドから降りようと彼に背を向けた。
…しかし。
「…ん~ぅ……枕…」
「…ッ…! え、ちょ…ちょっと…」
背後から飛羅が力強く抱きしめ、それは阻止されてしまった。
「ば、馬鹿っ…早く起きろって飛羅…! 私は抱き枕じゃないからっ!」
「……くー…」
「…もうっ…」
寝ぼけているとは言え、弟に背後から抱き締められるのは正直恥ずかしい。
聖羅は一刻も早くこの状況を打開したかった。
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