冥命

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紅の指先はやがて透けて この瞳には映らない 潜む心にだけ僅かに残る 宿す命脈は明けに薄れて 現実から外れていく 残影すら留まりはしない 仄かな香りは渇望の末か 境を踏み越えていく その全ては無形を定める 曖昧でいて不意の顕在は 確定の個を伴わない 理と標の生を蔑ろにして .
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