キミのとなりに

切ない片思い

あたしが玄関の扉を開けると、母が走って来た。
母の顔は泣きそうになっていた。

「何？」

泣きたいのはこっちだよ。
ほんと勘弁して。
あたしがそう答えると、

「何じゃないでしょ。心配したんだよ。こうちゃんが紗季が行方不明って必死で探してたから。」

「何で…幸輔が？」

「連絡取れないって。早くこうちゃんに連絡してあげなさい。」

「分かった。」

あたしは適当に返事した。