二人

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「何怒ってんだよ。」 「あたしのこと、バカにしてたんでしょ。」 あたしは入口の周辺に立って、本当はプリプリ怒りたかったけど、か弱い女の子っぽく、下を向いて悲しそうな顔をした。 あたしの異変に気付いてか、幸輔は椅子から立ち上がり、あたしの方へ向かって歩いてきた。 「バカになんてしてねーよ。ちょっと来い。」 あたしは幸輔に腕を捕まれ、階段を登らされた。 ある程度一目につかない、屋上へ続く階段に座らされ、幸輔もその横に座りあたしの頭を撫でた。 「いつまでも気にすんなよ、それは付き合ったうちに入んない。母ちゃんが紗季にってプリン買ってくるらしいから、家来て食おうぜ。」
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