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息をきらしながら走ると村がざわついていた。
そこは私の家だった。
「華菜ちゃん!!」
私に気づいた近所のお姉さんが私のところに走ってきた。
「なにが…起きたの…?」
あれからずっと心の中にある不安。
できれば聞きたくなかった。
「…お母さんが…華菜ちゃんのお母さんが…」
お姉さんは涙を流しながら教えてくれた。
「魔族の呪いで…石化しちゃった…」
…なんとなくわかってはいた…でもちゃんと聞いた瞬間頭の中か真っ白になった…
気がついたら周りは静かで外は真っ暗だった。
夜だと気づくまで時間がかかった。
お母さんは石になったまま動かない。
魔族の呪いはかけた本人じゃないと解けない。
私はお母さんと二人暮らしだからすごく寂しい…
お父さんは私が小さい頃に病気で亡くなった。
だからお母さんがいなくなったら私は一人ぼっちになってしまう。
「…お母さん」
お母さんを助けたい。
例え私がどうなろうと…
この村から魔族がいるところまでだいぶ距離がある。
私は必要な装備を整え出発の準備をした
家を出るときお母さんを抱きしめた。
抱きしめた瞬間冷たくて私は一瞬びっくりした。
あんなに暖かかったのに今は冷たい…
「絶対に助けるからね!」
そうお母さんに言うと私は家をでた。
みんな寝ているらしく村は静かだった。
私は心の中でみんなにさよならを告げると生まれ故郷の村をでた。
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