第1章 旅立ち

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息をきらしながら走ると村がざわついていた。 そこは私の家だった。 「華菜ちゃん!!」 私に気づいた近所のお姉さんが私のところに走ってきた。 「なにが…起きたの…?」 あれからずっと心の中にある不安。 できれば聞きたくなかった。 「…お母さんが…華菜ちゃんのお母さんが…」 お姉さんは涙を流しながら教えてくれた。 「魔族の呪いで…石化しちゃった…」 …なんとなくわかってはいた…でもちゃんと聞いた瞬間頭の中か真っ白になった… 気がついたら周りは静かで外は真っ暗だった。 夜だと気づくまで時間がかかった。 お母さんは石になったまま動かない。 魔族の呪いはかけた本人じゃないと解けない。 私はお母さんと二人暮らしだからすごく寂しい… お父さんは私が小さい頃に病気で亡くなった。 だからお母さんがいなくなったら私は一人ぼっちになってしまう。 「…お母さん」 お母さんを助けたい。 例え私がどうなろうと… この村から魔族がいるところまでだいぶ距離がある。 私は必要な装備を整え出発の準備をした 家を出るときお母さんを抱きしめた。 抱きしめた瞬間冷たくて私は一瞬びっくりした。 あんなに暖かかったのに今は冷たい… 「絶対に助けるからね!」 そうお母さんに言うと私は家をでた。 みんな寝ているらしく村は静かだった。 私は心の中でみんなにさよならを告げると生まれ故郷の村をでた。
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