第1歩 僕の隣を歩く先輩について

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先輩と出会ったのは、僕たちが今立っている、桜宮高校の校門だった。 僕がこの高校に入学して二週間、周りの人間が部活に仮入部なんかしている時期に、僕はもう帰宅部への入部を決断していた。(入部というのは言うまでもなく皮肉だ) 僕は本を読むのが好きだから、文芸部に入ろうと思っていたのだけど、その文芸部では半年に一度小説を書き、冊子にまとめて校内の人間に配らなければならなかった。 確かに僕は小説を読むのが好きだ。だけど、書くとなれば話は別だ。 学校で課される作文をいつもビリっけつで提出していた自分にとって、小説を書くなんてのは途方もない話だ。 そうして他にお目当ての部がなかった僕は、帰宅部へと身を投じることになった。
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