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読んでいた本の続きを読もうと手を伸ばすと、再び鳴り響く携帯電話。見ると、またも未登録番号。
また間違ったのかな?
「もしもし?」
「あれ?さっきの?また間違えました?」
「みたいですね。」
耐えきれず、笑いだしてしまう。
「本当、ごめんなさい。番号って、080………ですよね?」
困ったような口調で、茜の番号を声にした。
聴こえるその声は間違い電話にも関わらず、不快さは一切感じさせない。
浸透していくような声。それはまるで茜が好きな海の音。ずっと聴いていたいような気になる。
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