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「こんにちは。」
ふと声をかけられ、茜は現実に戻される。
陽も幾分高くなり、船の搭乗時間も近くなっていた。
チケットを持った母は、あら?と声をかけてきた嗣也と挨拶を交わし、暫らく取り留めのない話をしていた。
港と呼ぶには寂しいそこは、休日のおかげかいつもより賑わっていた。
母が知人を見つけそちらの方へ行くと、自然な流れで嗣也と2人になる。
人目もあるせいだろうか、昨日よりもドギマギしている茜がいた。
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