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* だらだらとした時を過ごし、夕飯後の散歩に出た。 焼けるような夕陽が綺麗で、この時間 茜は散歩に行くのが好きだ。 散歩に電話なんて不要だが、今日は写真を撮ってみたかった。待ち受けが変えられることを知って、大好きな風景を納めようと、電話を持参した。 しかし、カメラを起動させて何度か撮ってはみるが、なんだか上手くいかない。 レンズ越しに見る風景は、いつものそれとは違い人工的に見えたのだ。 毎日、景色は変わっていく。海の色も、手前にある木々の葉の様子も、風も。だから、茜が納得するようなものなど撮れるはずもなかった。 諦め瞼に焼き付けようと、羽織っていたパーカーのポケットに電話を突っ込む。 手のひらをポケットから出そうとした時に僅かに指先に伝わる振動。
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