嘘と真実

9/17
前へ
/17ページ
次へ
ときどき私はどうしようもない 寂しさに駆られる この世界に一人ぽつんと 取り残されたような孤独感が襲う 全てはその感情のせい 私がこんな風になったのも 私の手のひらに白い固形物が 存在していることも 苦しくなったら 睡眠薬でむりやり落ち着かせてきた それでもおさまらないときには これを口にしてしまう そうして私はまた壊れていく あいつに捨てられないために 嘘をつき その嘘がばれないように また嘘を重ねる 私の口から流れ出る言葉に 真実はあるのだろうか あいつのためにと思って 言うことは 全て嘘ではないのか あいつのためなのに でも結局は自分のためなのか ふっとため息をこぼした。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加