口実

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「むい」 突然唇を摘ままれて変な声が出る。 というかなんで唇なんざを摘ままれているのか 「なに?」 「…アヒル口」 「は?」 「流行ってるらしいよ」 自分の唇を指さす麗。 そしてまた俺の唇をむにむにとしはじめる。 「ちゅうしたい唇特集に載ってた」 「お前そんなの読むのかよ。きもい」 「メイクルームにあった雑誌のだよ」 ひとしきり弄って飽きたのか、人の唇を摘まむのをやめて、今度は鏡で自分の唇をチェックしはじめる。 「…どう?」 「おん?」 「ちゅうしたい?」 また唇を指さして尋ねてくる麗。 あぁ、なんだ。そういうことか .
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