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「………ッッ?!違ッ……煩ぇ…」
顔を赤く染めたまま矧は、横を向き顔を隠すと『違う』と、反論しようとしたが、反論が終わる前に『煩い』と、口にした。
「へぇ…俺が矧の初接吻(ハツキス)の相手か。何か嬉しいな、てっきり破紗喜辺りが奪ってるモンかと思ってたし。」
俺の目の前に、嬉しそうに笑うアシュトンの顔だけが映し出された。
無邪気に笑い、歓喜を表に出まくっている。
…何となく憎めない…
「んぁ?…」
破紗喜はもぞもぞと寝返りを打ち、それでも矧の服を掴んだまま眠り続ける。
幼い、嫌あどけない寝顔をさらしたまま。
「いい加減起こさなきゃならんが」
トントン──
戸が二度叩かれる。
戸の外にはジュシュが居る事は明らかだった。
「起きとるかの?矧君。」
一言だけジュシュの低いが良く響く声が、戸の外から聞こえてくる。
「あ、あぁ、起きてるがなんだ?」
「勝手に台所を借りて、飯を作ったんじゃがな?皆で食べんか。思っての。」
喋りながらガチャリと戸を開けると、ジュシュは少し開け終えると一瞬フリーズした。
矧は一瞬にしてフリーズしてしまった。
「恩師…大丈夫じゃろうな?頭。ダメじゃぞ、不純同性交遊は。」
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